きっかけ
すべてのものはいつか壊れる,この壊れ初めが”きっかけ”
たとえば歯車.
ある歯車は形状も材質も完璧でしたが,偶然歯底の高周波焼入れが不足してました.
その歯車を組み込んだ装置は正常に動いておりました.
ある時,オペレーターが操作をミスって一瞬だけ過負荷を掛けてしまいました.
焼きの入ってない歯底に,目には見えないほどのちいさなちいさなクラックが入ってしまいました.
それでも装置の使用には問題ありませんでした.
そして三ヵ月後,ちょっとだけ過負荷を掛けてしまったら突如装置は停止してしまいました.
中をあけてみたら,欠けた歯車の歯がベアリングに突き刺さっていました.
そう,ちょっとしたことで入ったクラックをきっかけにして,疲労亀裂が進展し,歯車の歯が折れ,そして周囲のパーツにまで破損させてしまった...
これは実際に起こりうる機械の破損事例ですが,人間の心理(医学的には脳や脳内物質といったところでしょうか)にも同じことが起こるとしたら...それがうつ病だと管理人は思います.
管理人にとってのうつ病のきっかけ.
それは二度目に就職してしばらくの事.
ある時パワハラな上司(パワハラで有名なことは後に知りました)にこっ酷く叱られました.
しかも自分がミスした,とかそんなんじゃなくって,何気ない会話から急に相手が怒り始めたのです.
”ああ,この人は訳の分からない恐ろしい人だ”
当時はそう思ったように記憶しています.
上の例え話でいうクラックが入ってしまったんだと思います.
この日を境に,些細な注意や,強烈なパワハラや,ちょっとした荒っぽさなどが管理人の心の隅に残るようになっていきました.
でも,もちろん仕事は普通か,それ以上にやっておりました.
日々のパワハラを受けながらもそれなりに成果を残しておりました.
ただ,自分がうつ病と気付かぬところで,体調不良や不眠などが顕在化してきてもいました.
ココロの亀裂が少しずつ進展していってたんだと思います.
それを見抜いた家内が早い段階で管理人を精神科へ連れて行きました.
そこでの治療で表面上でのココロの亀裂の進展は止まりました.
が,2010年,新年度も始まってすぐの頃,その上司からの強烈な攻撃により,止まっていたココロの亀裂の進展は,一瞬にして精神全体の破壊へと至りました.
いわゆるうつ病の急性期です.
そうなってしまうと,もはや仕事も休まざるを得なくなりました.
抱えていた仕事も仲間たちに肩代わりして貰わなければならなくなりました.
組織全体が少し狂ってしまいました.
あなたはココロに亀裂を持っていませんか?
あなたは誰かのココロに亀裂を生み出すきっかけを作っていませんか?